福岡県糸島市の廃村 上川原集落 #
探索日 #
- 探索日 : 2019年4月7日
- ページ最終更新日 : 2022年5月28日
上川原集落 #
福岡市の西側にある糸島半島は玄界灘に突き出した半島でその南側には平野が広がっており、
半島の付け根は雷山を始めとする背振山地がそびえ立つ。
平野の東部は高祖(たかす)山などの低山が連なり、その向こうは福岡市である。
この平野部は古代より人の営みがあり古墳のほか遺跡も多数発見されている。
川原(かわばる)集落は平野の南東にある集落で、福岡市の曲淵へと越す糸島峠の登り口ともなっている。
そして上川原はその川原集落からさらに南側の山の斜面にあった集落である。
現在上川原集落に人家は無いものの、集落があった辺りには熊野神社が鎮守している。
古地形図では神社の西側に人家が数軒あったようである。
かつての集落 #
明治初期に編纂された「福岡県地理全誌」には
上川原 六戸
の記述がある。
地名からもわかるように川原集落との結びつきが強かったのではないかと思われるが、
江戸時代には西堂村の枝村であったという。
川原の方に話を伺ったところ、
かつては神社の周りに集落があり、離村時期は覚えていないが40~50年前には廃村になったとのこと。
ちなみにこの方は集落名を「カミカワハラ」とおっしゃっていた。
正しい読み方がこの「カミカワハラ」なのか「カミカワバル」かは不明である。
別の方にも話を伺ったが、集落の存在は知っていたものの詳細はわからないとのこと。
↑集落跡から見た川原集落
集落の現状 #
境内にある巨木。社殿と比べるとその大きさが際立つ。
↑放棄されていた壺やすり鉢の破片、瓶や屋根瓦も見つかった。
↑家屋の跡地と思われる場所。
コンクリートの跡。瓶が捨てられていた。
こちらは別の屋敷跡。立派な石垣とそこに続く道がはっきりと確認できる。 この家屋跡地には水路状の遺構があり、石垣前面では何かを祀っていた。
これらの家屋跡から登ったところには耕地跡と思われる場所が続いている。 画像の朽ちた農業機械のほか、コンクリート製の井戸や碍子などが発見できた。 離村時までにここまで電気が通っていたのだろうか。
↑石垣と、朽ちた農業機械
耕地跡の水路跡と、そこに架かっていた石の橋。