八女市矢部村 樅鶴集落#

探索日#

  • 探索日 : 2019年11月
  • ページ最終更新日 : 2022年5月28日

樅鶴集落#

樅鶴集落は、福岡県八女市の矢部村にあった集落。
矢部川の支流である樅鶴川の上流に位置していた。

かつての集落#

同じく樅鶴川下流の落合集落(秋伐方面からの県道57号線が樅鶴川と合流する辺り)の
方によれば、

・樅鶴(モミヅル)には昔2,3軒の家があったが、やがて一軒になり無住となった
・大昔は炭焼きや木材の伐り出しで数十軒の家があったという

とのこと。「大昔」がいつ頃かは不明だが、
江戸時代には樅鶴川の源流地帯は藩の官山となっていたようで、その後は国有林となった。
かつては林業で賑わった時代もあったのだろう。1965年の航空写真では2軒程度の家屋と、山の斜面に開かれた耕地が確認できる。
ただ平地は少なく、農業を中心として生活するには向いていない立地に思える。


集落の現状#

樅鶴集落への分岐がある前述の落合集落付近。
ここから集落へは3km以上も川を遡ることになる。
もっとも道は整備されており苦労することはない。

樅鶴への分岐路

集落への道中にある素掘りの隧道。
地図に載っていない隧道でありインパクトは大きい。
右側には廃隧道のようなものも確認できる。
これらの隧道については後日再訪して探索した(本ページ下部参照)。

道中の隧道

集落跡の廃屋(物置小屋?)

廃屋

耕地跡と石垣。

耕地跡 石垣

耕地跡 石垣2


おまけ: 集落道中の謎の隧道#

集落へ向かう林道の途中にある2本の隧道。
左の隧道はともかく、川に向かって口を開ける右の廃隧道は一体…

道中の隧道

隧道についての情報#

平成27年の福岡県のトンネル点検結果には
「クサギ原トンネル」として市道樅鶴線のトンネルとして記載がある。
トンネル延長や地名などから、これが現隧道を指していると考えられる。
全国のトンネルを網羅した全国道路トンネルリストの福岡県のページにも
「クサギハラズイドウ」として記載があるが、こちらも建設年などは不明である。 また旧隧道に関してはインターネットで一切の情報を得られなかった。

樅鶴川下流の落合集落(秋伐方面からの県道57号線が樅鶴川と合流する辺り)の方によれば、

・名称は不明だが、トンネルは2つあった(現隧道と旧隧道の事だろう)
・どちらも交通用で車が通れるように新しい方を開削
・古い方は人の手によって開削された
・話を伺った住民の方が落合集落にやってきた昭和37年には、既に両方の隧道が存在していた

とのこと。 少なくとも両方の隧道は昭和37年以前の建設であるという事がわかる。
この樅鶴川上流地帯はかつて官山に指定され、現在も一帯は国有林となっている。
前述の方の話でも、大昔には林業関係のために樅鶴には数十軒の家があったとの事である。
個人的には木材の伐採や運搬の利便の為に開削されたものではないかと推測している。

隧道付近 地図

隧道付近の地図(手描き)。2本のトンネルは並走しているが、旧隧道に接続しているはずの道は全く確認できなかった。


現道の隧道#

まずは現隧道から。

下流側からみた現隧道。
奥行きはそれほどない短い隧道である。

現道の隧道 下流側

上流側からの見た目。
手前にあるのは大きさ比較用のリュックサック。

現道の隧道 上流側


旧道の隧道#

下流側から見る旧隧道。
かつてはここに続く道か、あるいは桟橋でもかかっていたのだろうか。
樅鶴川はこのあたりで深い淵となっており、旧隧道の出口はすぐ崖である。

旧道の隧道 下流側

現道の上流側からみた旧隧道(赤丸のあたりに坑門が口を開けている)。
旧隧道へと続くはずの道は一切見当たらず。

旧道の隧道 上流側から

上流側の坑門。

旧隧道 上流側坑門

旧隧道の内部。
路面も素掘りのままであった。

旧隧道 内部

隧道内部には所々水が溜まっていた。

旧隧道 路面

隧道壁面ではこのような穴を見つけた。
ちなみに現隧道でも同じような穴を数か所発見できた。
トンネル建設には疎いのだが、ダイナマイト発破の跡であろうか。

隧道壁面の穴

旧隧道の下流側坑門付近には、写真のような構造物があった。
何らかの石碑か石仏が備え付けてあったように思えるが、
現在は下部の土台しか残っていない。

何らかの土台