福岡市早良区の廃村 狸穴集落跡 #
探索日 #
- 探索日 : 2018年10月、2019年11月
- ページ最終更新日 : 2022年5月28日
狸穴集落跡 #
福岡市と那珂川市を結ぶ主要道であり、
かの菅原道真が大宰府へ向かう際に通ったとの伝説もある
小笠木峠の南側にあるのが、この狸穴集落跡である。
この集落についてわかっていることを以下に記す。
往年の集落 #
明治5~7年に調査・編纂された「福岡県地理全誌」には、
"人家 狸穴 四戸"
との記載がある。
付近の集落(志水)の方に話を伺ったところ、
・集落名は狸穴(読みはタヌキアナ)
・家は四軒あった
・離村時期は戦後?
・廃村になるまで電気は来ていなかった(二軒はそのために離村した)。
・神社などの有無は不明
というような事が判明した。(読みはムジアナではなくタヌキアナだったのだ)
集落跡 #
集落は谷沿いにあり、斜面に屋敷跡が位置している。 また谷の広い範囲にわたって耕地跡が存在している。
集落の現状 #
集落の入り口。
集落跡の橋。離村後に架けられたものであろう。
屋敷跡は集落入り口付近の斜面にある。
崩壊した小さな祠。離村後も最近まで手入れされていたと思われる。
風呂場か流しの跡ではないかと思われるコンクリート跡。
石が積まれた1mほどの正方形の何か。付近には空き瓶や陶器が散乱していた。 かつては何かを祀っていたのかもしれない。
屋敷跡に落ちていた特徴的な形の瓶。 エンボスなどを手掛かりにインターネットで調べた結果、 お染香油株式会社という会社によって 昭和32年ごろ販売されていた香油の瓶だったことがわかった。
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香油というのは今でいうポマードのようなものらしい。
なお製造会社については調べても情報は得られなかった。
インク瓶だろうか。それなりに古いものであると思われる。 このほか、屋敷跡には壺や陶器片などが散乱していた。
耕地跡の石垣。背の高い石垣が続いており見栄えがある。 元々この地にあったであろう巨石を組み込んで石垣が組まれており、職人技が光る。
林道からみた耕地跡。石垣いいよね…
実は現在の地形図にも記載されている、耕地跡の水路。