宮若市の高藪集落と六地蔵

宮若市の高藪集落と六地蔵 #

探索日 #

  • 探索日 : 2019年1月
  • ページ最終更新日 : 2022年5月26日

高藪集落と六地蔵 #

宮若市は福岡県の北部に位置し、トヨタの九州工場や竹原古墳などで有名である。 比較的開けた市北部に対し、市の南部は山間地となっている。近年まで市南部は若宮町だったのだが、 宮田町との合併によって宮若市となった。
高藪(たかやぶ)集落と六地蔵はこの旧若宮町の南部、飯塚市との市境付近に存在する。

今回のルート #


女郎が原集落と高藪集落 #

女郎が原集落 女郎が原集落の風景。
上臈は「じょうろう」と読むが、 集落名は付近の橋名や八木山の方によれば「じょろう」で正しいようだ。
八木山川は八木山高原から犬鳴川に合流する辺りまで 10km以上にわたって急峻な谷となっており、 流域沿いは人家もまばらで平地に乏しい。

高藪までの山道 耕地跡 八木山川を離れて山道を登って行く。 谷沿いにはこのように耕地の跡が明確に現れる。 比較的最近までは現役だったのではないかと思われる。 これらは先ほどの女郎が原集落の住民によって耕されていたものではないだろうか。 (他の山間集落と比べてみても、この集落は付近の耕地が少ない気がした)

高藪までの山道 石垣 高藪集落までの道は狭いものの一応車でも通れる(と思われる)。 道中ではこのように立派な石垣も見かけた。やったぜ。

高藪集落 畑 林道のような山道を行くと唐突に目の前が開け、現役の畑が現れる。 今まで探索してきた廃村も往年はこんな感じだったのだろうか。

高藪集落 家屋 日吉(女郎が原よりも下流に位置)の方によれば、 かつては高藪には三軒の家があったとのこと。 現在は一軒となっているが廃村ではない。 個人的には廃村よりも現住の集落の方が好みなのでこれは嬉しい。 もちろん農地は今も使われており白菜などを栽培していた。 電気柵で畑は囲まれている。この付近は鹿などが多いのでその対策だろう。 六地蔵へはここからさらに登って行く。

六地蔵まで #

高藪から六地蔵3 高藪から六地蔵1 高藪から六地蔵2 さらに登って行く。 放棄された耕地や横転した軽トラ、上下逆さまになった軽トラを見つけた。 高藪から六地蔵までは未舗装。

堤(?)の跡 集落の最上部には写真のように堤(?)のような遺構が残っていた。 高藪集落は標高は250~300mとそこまで高くはないものの 谷の上流に位置しており、集水域に乏しい。 そのためため池として飲み水や農業用水の確保に使われたのだろう。

六地蔵 六地蔵に辿り着いた。 ここは峠の頂上にあり徒歩であれば松原谷(力丸ダム方面)や飯塚市建花寺へ行くこともできる。

六地蔵 建物内部 「六地蔵」の名称が示す通り、ここには6体の地蔵が祀られている。 由来は以下の通り(鎮西村誌より)。

今からおよそ200年前建花寺より吉川(宮田町)に越す峠に山賊がでて、旅人をなやました。
このことを建花寺部落民が黒田藩に届け出たので、
早速武術達者な武士を差し向け捕えて首をはねた。
ところがこの山賊どもの往生が悪く幽霊となり迷いでるので地蔵菩薩を六体刻んで供養したといわれる。
これがどうまちがえられたか子供の病気、特に百日咳の地蔵として効果があると伝えられ、
全快祈願のため詣でる人が多くなった。

今は訪れる人も稀な地ではあるが、だからこそ雰囲気はとてもよかった。